WICKED A GO FEEL IT


いつのまにか、21日。
 明日からは日本シリーズ。
 球団買収ネタやらが続くもんだから、何か、プロ野球がどんどん知らない「別なもの」になってしまっている。プロ野球の醍醐味に溢れたゲームにしてもらいたいもんだ。

 iTunesで曲名ソート(つまり、曲名のアイウエオ順)して聞くというアホなことをしていると、確かにオックスと橋幸夫とかわけのわからん組み合わせで続けて聞けたりするんで、それはそれでオモシロいのだが、あんましやっていると、やっぱ、ある種の欲求不満が溜まってくるわけだ。

 やっぱ、たまにはドーンとアルバムばしっと聞いたらんかい、ちゅうもんよ。

で、我ながらワンパターンだが、人生そういうもんや、シュガー・マイノットを聞く。

 となると、


Good Thing Going  

だぜ。まあ、これが出た当時(1981年あたり)はメジャーCBSソニーと契約したちゅうので、フツーに日本のラジオでもガンガンかかったもんだ。当時はレゲエ=ボブ・マーレイというか、ドレッドロックスの長い髪のオッサンが汚らしい身なりで、「第三世界」から「先進国」へ音による宣戦布告だ、てなノリがまだまだ残っており、また、それが日本に来たら例の日本特有のねじ曲げがかかり、レゲエ系の店行くと、七〇年代ヒッピーの生き残りが沢山おって、それは閉口したもんである。







 このアルバムはそうしたレゲエの音楽以外の付加価値を取り去り、フツーな楽しさ、フツーにいい音楽で来た。アルバムタイトルとなった「Good Thing Going」からして、マイケル・ジャクソンのカヴァーだ。



 あくまでも、世界にはボブ・マーレイ的な音しか「レゲエ」として認められなかった時代としては、このアルバムは、十分パンクであった。ジャマイカの音楽の持つ、ありとあらゆる要素が詰まっている。

 かくして、ようやっと、ボブ・マーレイの呪縛から解き放たれたジャマイカの音楽はぼこすこ世界に認められていくのである、多分(このあたりいい加減なので、まともに信用しないように)。


 オレは女性ヴォーカルがフューチャーされた「Make It With You」「Now We Know」とかもう大好きである。

 三年後、シュガー・マイノットは今度はニューヨークはワッキーズという小さなレーベルから「Wicked A Go Feel It 」というアルバムを出す。



"Wicked Ago Feel It" (Sugar Minott)

 このアルバムで「Good Thing Going」を新しくワッキーズの音で吹き込む。それがまた、めっちゃカッコええわけだ。音はざらつき、低音部はところどころ歪むほど遠慮なく出してくる。

 「Wicked Ago Feel It」とか「Going Back To Motherland」はもう音そのものが、凶暴に暴れ回り、不穏ですらある。しかも、「It's You I Love」とか「Don't Take Away」とかのラブソング系は唄として、依然、素晴らしい。最初の「So Much Trouble」からして・・・
 ま、書ききれない。
 ともかく、この2枚、最盛期のシュガー・マイノットが、単に唄が上手かっただけではなく、どんどん、何かをぶっ壊しては再定義しながら、突進していた、ちゅうことはホンマ抑えておいて欲しいもんである。

 まあ、ええか。
 CBSソニーから出した「Good Thing Going」が全世界でバカ売れし、その儲けた金で彼がやったのは、若手育成の為、Youth Promotionというレーベルを設立した、という事実だけでも、三木谷某とか村上某、ホリエモン等になあ・・・ムダか。
 
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