津々井まりの「悪なあなた」


夫婦喧嘩に銃持ち出した男が立てこもるわ、現職の大臣が自殺するわ、スワローズは負け続けるわ、ま、いろいろなことが起きるなあ。日本国中、いわゆる、五月病ですな。


悪なあなた~歌謡曲番外地-VA-小山ルミ、フラワー・メグほか
 
 届く。
 
 「歌謡曲番外地」とは、何ぞや。
 ライナーにバーンと出ている。

 「1970年代女性歌謡曲の持つ『バッドでフューリーな』世界へ一瞬にして案内してくれます。」
 
 ちゅうそうである。

 年取ったせいか、ビッチ歌謡やら「バッドでフューリーな」ってようわからんが、まあ、過去の膨大な音源群から、いろんな切り口を考え出して、それに沿って聴くのは、めっちゃオモロいことである。

 オレはキャンディーズや山口百恵とかで代表されてしまう70年代の歌謡曲ははっきり言って好きではないが、このコンピレーションはフツーに楽しめた。ワシら世代向けに云うと、このコンピに納められている女性歌手ちゅうのは、「平凡」や「明星」に出るようなタイプじゃなく、ぐぐぐぐっとワシらに身近な雑誌だった「週刊プレイボーイ」や「平凡パンチ」のグラビアに載るようなタイプ、という感じ、というと、あはははあんとわかってもらえるはずだ。エルザでしょ、ミミ でしょ。そっち方面でいうと、オレなんかは、ここでおさめられているザ・シュークリームというガールグループにあのハニー・レーヌが在籍しとるというのが、ツボでした。ハニー・レーヌ 、よかったなあ。

 あとうっすら思うのは、「汎ハーフ信仰」というか、何せ、「ハーフ」はスタイル抜群しかもオシャレでセクシーだと、されていた時代があり、ともかくハーフならデフォルトでオーケー、ど日本人でもわざとハーフっぽく売り出してた風潮があった頃の音楽とも言えると思た。思ただけ、裏はとってない。

 音楽の方を書く。
 届いたのは先週だが、けっこう、聴けてしまう。小山ルミやらフラワー・メグとか好きな人のは別格として、その他の曲もいい曲揃いだ。同じ70年代でも、演出上の「過剰な部分」が苦手で、キャンディーズにしろ山口百恵にしろ、「今」あらためて聴くなんてできんが、このコンピの曲はわりとシンプルで聴きやすい。

 全部の曲の感想文書くんはしんどいんで。いくつか、ざっと。
 エルザの「山猫の歌」とか狙いすぎと思うが、その「あざとさ」も許せる範囲で、素直にカッコええと思た。「エルザのテーマ」はきどった演奏バックに、キングコングどうのこうのとか、わけのわからんアングラぽい詩を語るだけだが、眼が透き通ったキレイなあのエルザがやっとると思うと、それなりに想像力が膨らむ。「海は何も言わない・・・だから、海は嘘をつかない」ってどっかで云うてみたいもんである。

 あと、牧陽子という人の「本牧ディスコティック」が凶暴だった頃の本牧の雰囲気が出て異質な感じでめっちゃええし、渚リール(なんちゅう名前やねん? この映画 に出ているそうだが・・)も、しあわせっぽくて、ええ。しかし、なんといっても、津々井まりの「悪なあなた」、最高。
 
 ただひとつ、云えるのは、こういう音楽は、音楽自体も素晴らしいが、やっぱ、オリジナルのシングルジャケットも一緒に楽しみたい。ここに納められている曲のみならず、この手の音楽のジャケットどっさり集めた雑誌版も出ている。ジャケット写真一緒に見ながら聴くと、それはそれは、ある意味、中学生臭い情緒にひたれる。

 雑誌の方のおまけには、杉本エマ の曲が入っている。

歌謡曲名曲名盤ガイド-歌謡曲番外地~Queen-of-Japanese-Pops~

 

 きょうはこのくらいで。
 あしたから、東京ヤクルトスワローズが勝ちますように。

 
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