キャンティ物語読む、そいで、リー・ペリー聴く


今日は晴れまくった。で、最近クルマで出かけてばかりなので、大人しく、読書にいそしむ(火曜と木曜の午後は休みなんです、土曜日は休日じゃない)。
 飯倉にあるレストラン「キャンティ」の「キャンティ物語」、読む。読み返し、になる。

キャンティ物語 幻冬舎文庫 

三島由紀夫、安部公房、黒沢明、岡本太郎、小沢征爾、篠山紀信、加賀まりこ、かまやつひろし、ビートたけし、坂本龍一、村上龍、松任谷由実…’60年開店以来、きらめく才能が集う伝説のレストラン「キャンティ」。そのオーナーにして希有な国際人といわれた川添浩史、梶子夫妻の生涯と「キャンティ」を愛する客達の青春を描いた長編ノンフィクション。


 上記のように、いかにも、オレの好きそうな話の筈なんだか、読んでいて、何故か、不快感を覚えた。

 同じ60年代でも、永島慎二の「フーテン」を読んで得られる「快楽」は極小で、そのかわり、何とも云えない、生理的嫌悪みたいなものすら、時折覚えた。

 読み違えていた。

 この本は、どっちかというと、華族出身のビジネスマン川添浩史の「私の履歴書」か、「プロジェクトX」に近いのである。

 そう、ビジネス書なのだ。

 それも旧華族とか財閥系の「古い層」が、フランス帰りの川添浩史という媒体を使って、うまいこと、60年代登場した団塊の世代の連中の才能をとりこんで、ビジネスに持っていくというパターン。だから、「旧」世代の人物の紹介には、かならず、出身大学とかどこの官庁とかの「釣書」が出てくるのだ(これが、かなり鬱陶しい)。

 

 ひねくれた穿ち過ぎな読み方かもしれん。

 この本の著者が1957年生まれな為か、妙な「六十年代賛美」というのが極小なので、



 どこの都市でもある飲屋街にあるスナックのマスターと常連との仲良しのノリが、たまたま60年代で、しかも、田舎のスナックではなく、飯倉にあったレストランだった、ちゅうだけかもしれん。



 

 だから、福沢幸雄が亡くなるあたりは面白いのだが、他はどうも。

 キャンティは、当時の最先端の才能が集まるサロンであり、川添夫妻は良きパトロンだった、そいで、ええか。





 つうことで、今日の「手持ちのCDをiTunesで聴けるようにするプロジェクト」は、御大リー・ペリーだ。さっきから、鳴らしっぱなしにしているのだが、ちょっと席を離れて、もどってくる時の音の聞こえ方、レゲエがやっぱ一番、ぞくぞくするほど気持ちええわ。

 最初、ほんのり、低音だけが、ぼすぼすぼす聞こえ、近づくにつれ、他の音域も徐々に聞こえて、どんどん輪郭がはっきり、くっきりしてくる、つうのは、これまた、気持ちええでぇ。

 やっぱ、レゲエつうのは、低音命、や、で、突然、今度の新しいクルマ、純正のスピーカー音、しょぼい。しょぼくても、実は昭和歌謡聴く場合、ある種の風情を醸し出してくれ、それはそいで、ええんだが、レゲエ聴くには、やっぱ、しんどい。また、スピーカーとっかえたろうかいな、どないしよか。



 つうことで、リー・ペリー2枚。





Return of the Super Ape   





Super Ape  





 「キャンティ」はそりゃ安田かずみや加賀まりこは生み出したかもしれんが、結局まだリー・ペリーは生み出せていない、と例によって、異質な二つのものを強引に結びつけ、しめとしましょうか。



 寝しな、田辺聖子「ひねくれ一茶」読んでお口直ししますわ。




 
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